ご尊父様が平成八年に御建立されたお墓ですが、ややお墓に傾きが見られ、この度ご尊母様がご逝去されましたので、
ご納骨前にお墓を綺麗にされる事になり、ご依頼を頂きました。
傾きはそれほどではありませんでしたが、何らかの補修をしなければ、傾きは必ず大きくなりますので、
この機会に一旦解体をし、基礎を打ちなおして再建立をする事になりました。
合わせて、外柵ブロックも汚れてきましたので、御影石の外柵に取替え、お墓本体はクリーニングをして
彫刻に白を入れ直しさせて頂きます。
お墓を解体した所、やはり基礎が打ってありませんでした。
ブロックで囲んだ中に、マサ土(まさど、まさつち 花崗岩が風化したサラサラの砂)を転圧してありましたが、御建立19年で傾きが発生した事になります。
実は、基礎を打っていない場合が結構多く、傾いている場合はまず間違いなく基礎が打って無いと思いますので、早めに基礎打ちを含む組み直しをされた方が良いと思います。
でもすごく費用が高いように思われていますが、それほど費用は掛かりません。
標準的な和型であれば、解体、基礎打ち、組み直しで7万円から10万円程で可能だと思います。
まずは、気軽に近所の石屋さんに問い合わせてみましょう。
さて、今回も作業工程を画像でご紹介致します。
お墓の傾き直し完了後に、クリーニングと、色入れを行います。
前置き (香炉、花筒、水鉢を取り外した所 テープで目張りしてある所は、納骨口(カロート)です。)
まずは、古い塗料を剥離していきます。
段々と取れてきました。
前置き小物も同じように塗料を剥離します。
剥離後、色を入れていきますがその様子はこちらで → お墓の文字の色入れ
ステンレスの花筒や、お線香ローソク立ても磨いて、はい完成です。
どうでしょうか? 前後を見て頂ければその違いがよくおわかり頂けると思います。
リフォーム前
リフォーム後
作業が完了した夕暮れ、朝同じ道を通ったのか、2tトラックのおじいさんが、
仕上げ中の私に、「いいお墓が建ったの〜」と、信号待ちの車の中から声を掛けてきました。
ユニックを積んでいたので、同業者のようです。
「建てたんじゃないよ。クリーニングしただけですよ」と、答えたら、
「どこの石屋さんかねー」と笑顔で手を降って青信号の交差点を過ぎて行きました。
ホンワカとした気持ちになり、今日も一日いい天気で良かったな〜 とお施主様に感謝しながら帰途に付きました。
ありがとうございました。 木村