まさに純黒、漆黒の和型墓石です。
最近、黒御影での建立が増えてきたように思います。
墓石材の中では、黒御影は高級石材ですが、どうしても経年による色落ちは免れないため、
後々のクレームを避けるため、積極的に黒御影での建立を勧める石屋は少ないようです。
価格が高い事もあり、実際に黒御影のお墓は少ないと思います。
しかし、東北地方では黒御影の産地ということもあり、とても多く建立されているのも事実です。
福島県の某墓地
中国での墓石製作が90%近くになった今では、日本のハイレベルな品質需要に応えるため、独自の
「艶出し技術」を開発し、鏡のような輝きのある黒御影墓石を提供しています。
結果、あまりにも綺麗なため、僅かな雨ジミや砂ボコリが目立つようになり、アフターメンテナンスを避けるため、益々黒御影を勧める石屋は少なくなっているのではないでしょうか。
私共でも、黒系御影石での建立の場合、やはりメンテナンスも手間が掛かります。
虹色が出た時の除去前
左半分除去
でも、それを懸念してお勧めする石材の中から黒御影を外すのは、本来の石屋の仕事ではないと思います。
その石の特徴、良い所や欠点もきちんと施主に説明し、その上でどの石材を採用するかを決定する事で、
幅の広いデザイン、またより施主の希望を叶える墓石が出来上がると思います。
また、漆黒の「黒」を永く維持するため、また水ジミなどを軽減するためにアメリカ製のケミカル材を発掘したり、墓石建立だけではなく、それらに付随する研究開発も常に行うことで、「お墓創り」がより施主にとって身近な存在になるのではないでしょうか。
さて、今回の墓石は黒御影で代表されるインド産のYKDを採用です。
インド産黒御影としては、クンナムと並びよく使われる石材ですが、施主からは、最高級のクンナムEでも良いと了解を得ていましたが、「漆黒」と、コストパフォーマンスを考え、あえてYKDを選ばさせて頂きました。
クンナムもとても良い石材ですが、YKDもほぼ同じ「黒の濃さ」が出ていますので、YKDで充分と判断。
黒御影に付きものの色落ちも、どちらにもあり、また建立後の私共の手間も同じです。
「漆黒」の黒に、当店オリジナルの「風防付きローソク立て」のステンレスが映えます。
このお墓は「丘カロート」型で、納骨室が地上に広く取ってありますので、カロート(納骨室)内の湿気を和らげるために、除湿剤を入れました。 通気口は施主のご希望です。
完成後、拝石部に養生シートを張り、お墓開きまで待機です。
お墓開き
石屋の仕事はお墓を建てることだけでしょうか。
仮にそれだけの役目でしたら、今ではインターネットで数万円から30万円以下でいくらでも購入することが出来ますので、石屋その物の存在価値は無くなるでしょう。
それはそれで良いと思いますが、墓石を建てることだけでは無く、永代に受け継がれていく「お墓」に使われている「石」その物の価値をもっと施主に説明し、そして理解して頂けるようフェースツーフェースで、「お墓作り」のお手伝いをすることが大切だと、私は思います。
そして、お墓は建立してからが、石屋の出番だと心得ています。
創業時からの企業理念です
お客様を 心から大切にし
幸せのシンボル お墓を通して
すべての皆様に笑顔を届ける
幸せ創造カンパニー 石のきむら
ありがとうございました。 木村