ありません。
もちろん、基本デザインはあるので、そのデザインで建立されるのも良いのですが、数ある基本デザイン
の中からお気に入りの部分だけ採用し、全体のバランスを考えながらデザインを起こす事も可能なので、
必然的にたった一つのお墓となるわけです。
そして今回も一年近く施主とデザインを繰り返し考え、ついに完成したのが、こちらのデザイン墓石です!
施主にご指示頂いた、石の使い分けも絶妙で、とてもセンスの良いお墓が出来がりました。
いや〜、石屋冥利に尽きますね。頑張った甲斐がありました。
お墓開きです
しかし、最近施主と永い時間をかけて創り上げたデザインを、そっくり真似する業者が出てきて
とても残念です。
どうしても墓石のデザインは「墓石」という性質から、形が似通ってくるのは仕方のないことですし、
なんの情報も持っていないお客様が、墓地で「こんな感じのデザインがいいな」と思われ、それを
担当の石屋に希望デザインとして伝える事は、当たり前の事だと思います。
むしろ石屋側としてもお客様のご希望デザインが把握でき、よりご希望に近いデザインを考える事に
繋がりますので、歓迎できることであり、実際、図面製作のCADシステムにも多くのデザインがあらかじめ
用意されています。
問題なのは、その石屋の考え方だと思います。
CADに用意されているデザインなのか、まったくのオリジナルデザインなのかは、石屋であれば見れば
すぐ判断が付きます。
よく採用される汎用デザインであれば、施主のご希望通り図面を引いてあげれば良いと思いますが、
明らかにオリジナルデザインの場合は、その旨施主に伝え、意匠登録に抵触する可能性もあると説明し、
その代わり、その墓石以上のデザインを考案しましょう、とプレゼンするのが本来の石屋、いやご家族の
シンボルとなる「お墓」創りを承る私たちの仕事ではないでしょうか。
ノルマに追われ、売ってしまえばそれまでと、他店がお客様と永い時間を掛けてやっと創り上げたデザインを
なんのためらいもなく真似をする。
石屋である前に、私達の携わる仕事の意味を、しっかりと認識したいと思います。