2015年02月16日

お墓の文字の色入れ

立春も過ぎ、暦の上ではもう春ですが、あのポカポカと気持ちのよい季節には、もう少し時間がかかりそうです。

そして、来月は、春のお彼岸となります。
三月十八日にお彼岸入りとなり、二十四日にお彼岸明けとなります。 

「彼岸」の本来の意味は、七日間にわたって行われる法会(彼岸会)のことで、この頃になると、
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉どおり、しのぎやすい季節になります。
また、「彼岸」の名称は、仏典の到彼岸(波羅蜜多という梵語の漢訳)からきていると言われていますが、
その意味は、この現実世界から、煩悩を解脱し、理想の涅槃の世界へ行く、という意味だそうです。
(現実=此岸・しがん 涅槃=彼岸・ひがん)


 さて、今回は、前回の「文字のお掃除」で、綺麗になった彫刻文字に、色を入れる方法をご案内します。

私達のような業者でも、色々な方法で色入れをしていますので、どれが一番良いのかは、わかりませんが、
今回のご案内は、ご自身でお墓のお手入れをして頂くための参考として、ご覧頂ければと思います。
 使用する塗料は違うかもしれませんが(業者でも、同じ塗料を使っているところもあるようなので、ご安心下さい。)、
手順は、同じです。

お天気のいい日に、お弁当持参で、のんびりお墓にお化粧をしてあげれば、色を入れるだけでも見違える様に、
なります。

 でも、あくまで自己責任でお願いします。



 では、始めます。

今回は、一般の方でも、墓石本体の色入れと比べ、作業がしやすい「墓誌版」で、ご案内します。

まず、墓誌版で、経験を積んで、「出来る!」と、自信が付いたら、お墓の正面彫刻文字に挑戦してみてください。

「無理だ・・・」と思われたら、深追いするのは止めましょう!
業者に頼んでも、一万円から二万円程でやってもらえますので、(ちなみに当店は、墓石一式で、一万八千円税込です。
少し宣伝させて頂きました。)潔く、プロに任せましょう。

また、石材がツルツルの鏡面仕上げでない場合や、鏡面仕上げであっても御影石(花崗岩)以外の場合は、塗料が染みこんでしまう事がありますので、充分注意して下さい。



ステップ@  道具

では、用意する道具の説明です。次にご案内する道具が必要になりますので、ホームセンターで購入して準備しておきましょう。

1) ブラシ 古い塗料を剥がします。
ブラシ.jpg


2) 養生テープに紙テープ
養生シート.jpg


3) 筆  色入れに使用します。
筆.jpg

4) ラッカー塗料 絶対に必要です。
ラッカー塗料缶入り.jpg

5) スクレーパー 余分な塗料を取り除きます。
スクレーパー画像.jpg


 上記のうち、スクレーパーをお持ちの場合、「刃」だけは新品に取り替えて下さい。ココが、コツでもあります。




ステップA 古い塗料を剥がします。

元々、色が入っていて、剥がれてきているような場合は、ブラシなどを使って綺麗にして下さい。
前回のお掃除で使用したブラシがあれば、それを使います。
全部、綺麗に取らなくても構いません。私達は、剥離剤を使って、完全に除去しますが、そこまでしなくても、5年〜6年は、持ちます。
墓誌掃除.JPG




ステップB マスキングをします。

写真の様に、文字の周りを紙テープで、マスキングします。
そして、墓誌版の下に、養生シートを、写真と同じように張ります。 意味は、後でわかります。
墓誌マスキング.jpg




ステップC 色入れ

さあ!いよいよ色入れです。落ち着いて、ゆっくりと進めましょう。
慌てる必要は、まったくありません。

ココで、ポイント!
缶入りラッカーは、塗料と、うすめ液が一緒に入っていますが、缶の中で分離しています。
なので、缶を開ける前に、よく振って混ぜ、缶を開けて塗る際も、定期的に混ぜましょう。
また、筆は、ドボッと浸けずに、筆先で塗料を少し取るだけでいいです。
ドボッと浸けたりすると、余計な所に色がベタベタ付いて、後で余計な手間が掛かります。

多少、文字からはみ出しても、気にしません。サラサラと筆を進めて下さい。
墓誌色入れ.JPG
 



ステップD 仕上げ
墓誌色入れ完了.jpg


ここまで来たら、ほぼ完了です。

塗料がしっかりと乾いたのを確認して、スクレーパーで、余分な塗料を剥がします。
この時に、塗料が生乾きだと、今までの作業が台無しになってしまいますので、とにかくしっかりと乾かして下さい。
冬場で1時間〜2時間、夏場で30分〜1時間程度でしょうか。

お弁当タイムですね。


この剥がす作業で、最初にマスキングした養生シートが効いて来ます。
剥がれた塗料は、小さな削り節の用で、墓地に那智石などが巻いてある場合など、その中に入り込んで、取り除くのが大変です。

削りカスは、養生シートで受け止めます。




ステップE 完成

ハイ、出来上がりました。
墓誌色入れ完成.jpg


どうでしょうか? 是非、チャレンジしてみてください。



一文字づつ、筆で色を入れていきますので、おじいさんやおばあさんの戒名や法名などに使われている文字や、その意味をじっくりと考えるとても良い機会になると思います。




 ご閲覧ありがとうございました。   木村




posted by キムラです。 at 22:46| 愛知 ☁| Comment(0) | 補修・リフォーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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