当時の撥水剤は墓石表面を覆ってしまうようなケミカル剤のようで、墓石の裏面(地面に接する部分)、側面上面などすべてコーティングすれば問題はないのですが、建立後に塗布した場合、地面からの湿気が石材の内部に溜まり、バクテリアなどが発生してシミが浮き出てきます。
塗布したケミカル剤をすべて剥離すればある程度進行を防げるようですが、剥離するにはそのケミカル剤の成分表が必要なので、現実的に剥離はかなり難しい作業となります。
そのようなことがあったので、ケミカル剤の塗布は敬遠されてきましたが、最新のケミカル剤はとても素晴らしく、石材の
「細孔(とても小さな穴)」を塞ぐことなく石材に浸透するため、御建立後の塗布でも「石の呼吸」を妨げることがないので、効果的に墓石の「保護」が可能になりました。
そこで、早速テストをしてみた画像がこちらです↓
テストに塗布した石材はG614という石材で、比較的吸水率の多い石種です。
お分かりになりますか?
塗布した部分は全く水を吸っていません。この写真を撮っているときも雨が降っていました。
塗布したのは、三カ月前です。
撥水効果が良くわかります。
ケミカル剤は、特に石材のような常に「呼吸」をしている対象材の場合、間違った使い方をすると、後々余計な手間がかかってしまう事もあります。
なので適切な情報を得ず、ケミカル剤の使用を敬遠するのではなく、新しいケミカル剤があれば試しに使ってみて、実際の効果はどうなのか検証をして、良いケミカル剤だと判断できれば、積極的にご案内することも必要だと思います。
ご建立後かなり経過した墓石の「濡れ色」や、前述の「白いシミ」など、お困りであればご相談ください。
ご閲覧ありがとうございました。
木村