今日は、先日追加彫りをしたお客様の御納骨のお手伝いです。
2017年03月25日
2014年11月16日
墓石材アドバイス@: クンナム(インド産)
墓石として使用する石材は、とても多くあり現在では約300種類の石材があると言われています。
そんな中、お墓を建立する時に一番気になるのが、やはり使用する「石材」の事だと思います。
また、どの石材を使えばいいのか、アドバイスを受けたい方も多いことだと思います。
そこでこれから墓石材のアドバイスとして、実際に墓石を建てた後、点検に回っていて気付いた事などから、各石材のアドバイスをして行きたいと思います。
ご参考になれば幸いです。
一般の方にとって、初めて墓石店へ行き、色々な石のサンプルや、展示墓石を見ても、色の違いが判るくらいで、「石目」などは見てもよくわからないと思います。
ましてや、各石材の石質や使用頻度、人気度などはまったくわからないと思います。
そこで、これから不定期ではありますが、「墓石材」についてその特徴や、経験上わかったこと、墓石は自然の物なので、その時々の丁場(石切り場)状態などを公開して行きたいと思います。
今回は、黒御影としてとても良く使われる、インドの石材、「クンナム」についてお話します。
インド産の墓石材は、M-1-H(エム・ワン・エイチ)に代表されるように、濃い緑色や黒色の石材が多く採掘されていますが、その中でも代表的な「黒御影」が、今回ご紹介する「クンナム」です。
M-1-Hです。才単価¥90.500 才単価についてはこちら
今回ご紹介するクンナムです。(写真はクンナムE)才単価¥104.500
クンナムはインドを代表する「黒御影」ですが、クンナムの説明の前に石の種類について少しご説目させて頂きます。
一般の方は、墓石に使われる石材を、よく「御影石」と呼ばれますが、実は御影石という名称は、正式名称ではなく、正式には「花崗岩(かこうがん)」になります。
以前、兵庫県の御影地方で良質な花崗岩が採れたということで、通称「御影石」と呼ばれるようになったそうです。(実際に調べたわけではありませんが、通説となっています。)
そして今回ご案内するクンナムですが、通称「黒御影」と呼ばれている石種の一つで、こちらは実は花崗岩ではなく、斑糲岩(はんれいがん)系の石材となります。
専門的な事は別として、どちらも墓石材に適した石材です。
このクンナム、墓石材としては高級石材になり、黒御影自体が高級石材として価格も高いのですが、その中でもトップクラスの石材が「クンナムE」となります。
ただし、クンナムもランクがあり、当店は、上位ランクの「E]と中間クラスの「8」の二種類を扱っています。
クンナムE
クンナム8 才単価¥84.200
どちらも石質は、ほぼ同じですが、クンナムEの方が、クンナム8より若干色が濃くなります。
石質としては、20年以上経っても多少の色焼け程度で、劣化度も他の石材に比べてとても低く、健全度も5段階レベルの最高ランクに位置します。(茨城県石材協同組合連合会 石材学より)
では、実際に墓石を建立してみて感じたことですが、クンナムは「8」を価格的にもお値打ち感があるので、黒御影をご希望のお客様にはお勧めしていますが、建立後の雰囲気は、黒御影独特の高級感が漂います。
また、地域にもよりますが、私共のエリアでは、黒御影の使用率があまり高くないので、墓地内での存在感はかなりあると思います。
クンナム8使用のデザイン墓石
ご存知の通り、墓石材は天然の物であり、地中にいる時からすでに変化を続けており(何億年単位ですが・・)、地中から掘り出された時から、風化が始まります。つまり劣化です。
原因は、雨水や、河川、海の波等による侵食による物理的風化、また、雨水に含まれる酸素などによる酸化による化学的風化、それとよくある墓地内の植樹による根の張りによる生物的風化などです。
生物的風化に関しては、根の張りだけではなく、植物が根から酸を出し、必要なミネラルを吸収するため岩石を分解していく劣化も含まれますが、主にこの三種類の原因により、石材の風化(劣化)が進みます。
そして、この三種類の風化に共通するのが、「水」の存在です。
下記に、墓石の石塔部の健全度と劣化度を数値で表記してありますが、さらに調べてみると石塔部分より、墓石の土台石となる「外柵」部分の健全度、劣化度の進行が早くなっています。(外柵部に関しては、どの石材もほぼ同じように劣化が早いため表記してありません。)
墓石土台石の劣化が墓石本体より早いのは、地中から絶えず発生する「湿気」を土台石が吸水しているため、石塔部より劣化が早く進むのですが、それを数値が証明している訳です。
(当店では少しでも地中からの吸水を防ぐため、基礎に防湿シート敷設を考案し、実施していますが、これらの検証データからも、その有効性がお分かり頂けると思います。)
詳細はこちら→墓石の基礎に防湿シート
そして、今回のクンナムですが、クンナムに限らずいわゆる「黒御影」全般に言えることですが、あの黒色が「さめて行く」事が多いということです。
黒々とした「艶」を追求するあまり、自然の艶ではなく、人工的に艶を出している製作工場もあるようで(日本の市場要求に応えるため、艶と濃い黒色を出すためにオイルを塗る場合がある)
そのような場合は、年月が経つにつれオイルが抜けていくので、徐々に自然の黒色に戻っていくという事です。劣化ではありませんので、誤解されないで下さい。
新しく始めた「墓石アドバイス」コーナーの初回ですので、色々と説明が多くなり、話が飛び飛びになってしまいましたが、結論としては、墓石は常に劣化が進行し、その劣化の速度が各石材の特性や、施工方法によって変わってくる、という事です。
使われる石材について健全度、劣化度、私の個人的な見解をご希望であれば、お気軽にお問い合わせ下さい。その石材についてコメントさせて頂きます。
お問い合わせ
また、今後石質の比較がわかりやすいように、健全度を5段階で、劣化度を%(その石種の経過年数による劣化度。%数値が少ないほど石質が安定している)明記していきますので、ご参考になれば幸いです。
(数値ランク説明)
健全度 高い順 ◎・◯・△・▲・■ 低い
劣化度 0% 〜 100% 平均値 44.16%(142種平均値あくまで参考値です。)
吸水率 平均値 0.142%(58種平均値)
<クンナム石質評価>
健全度 ◎
劣化度 9%
吸水率 0.011%
<丁場、その他情報>
正常
ご閲覧ありがとうございました。 木村
そんな中、お墓を建立する時に一番気になるのが、やはり使用する「石材」の事だと思います。
また、どの石材を使えばいいのか、アドバイスを受けたい方も多いことだと思います。
そこでこれから墓石材のアドバイスとして、実際に墓石を建てた後、点検に回っていて気付いた事などから、各石材のアドバイスをして行きたいと思います。
ご参考になれば幸いです。
一般の方にとって、初めて墓石店へ行き、色々な石のサンプルや、展示墓石を見ても、色の違いが判るくらいで、「石目」などは見てもよくわからないと思います。
ましてや、各石材の石質や使用頻度、人気度などはまったくわからないと思います。
そこで、これから不定期ではありますが、「墓石材」についてその特徴や、経験上わかったこと、墓石は自然の物なので、その時々の丁場(石切り場)状態などを公開して行きたいと思います。
今回は、黒御影としてとても良く使われる、インドの石材、「クンナム」についてお話します。
インド産の墓石材は、M-1-H(エム・ワン・エイチ)に代表されるように、濃い緑色や黒色の石材が多く採掘されていますが、その中でも代表的な「黒御影」が、今回ご紹介する「クンナム」です。
M-1-Hです。才単価¥90.500 才単価についてはこちら
今回ご紹介するクンナムです。(写真はクンナムE)才単価¥104.500
クンナムはインドを代表する「黒御影」ですが、クンナムの説明の前に石の種類について少しご説目させて頂きます。
一般の方は、墓石に使われる石材を、よく「御影石」と呼ばれますが、実は御影石という名称は、正式名称ではなく、正式には「花崗岩(かこうがん)」になります。
以前、兵庫県の御影地方で良質な花崗岩が採れたということで、通称「御影石」と呼ばれるようになったそうです。(実際に調べたわけではありませんが、通説となっています。)
そして今回ご案内するクンナムですが、通称「黒御影」と呼ばれている石種の一つで、こちらは実は花崗岩ではなく、斑糲岩(はんれいがん)系の石材となります。
専門的な事は別として、どちらも墓石材に適した石材です。
このクンナム、墓石材としては高級石材になり、黒御影自体が高級石材として価格も高いのですが、その中でもトップクラスの石材が「クンナムE」となります。
ただし、クンナムもランクがあり、当店は、上位ランクの「E]と中間クラスの「8」の二種類を扱っています。
クンナムE
クンナム8 才単価¥84.200
どちらも石質は、ほぼ同じですが、クンナムEの方が、クンナム8より若干色が濃くなります。
石質としては、20年以上経っても多少の色焼け程度で、劣化度も他の石材に比べてとても低く、健全度も5段階レベルの最高ランクに位置します。(茨城県石材協同組合連合会 石材学より)
では、実際に墓石を建立してみて感じたことですが、クンナムは「8」を価格的にもお値打ち感があるので、黒御影をご希望のお客様にはお勧めしていますが、建立後の雰囲気は、黒御影独特の高級感が漂います。
また、地域にもよりますが、私共のエリアでは、黒御影の使用率があまり高くないので、墓地内での存在感はかなりあると思います。
クンナム8使用のデザイン墓石
ご存知の通り、墓石材は天然の物であり、地中にいる時からすでに変化を続けており(何億年単位ですが・・)、地中から掘り出された時から、風化が始まります。つまり劣化です。
原因は、雨水や、河川、海の波等による侵食による物理的風化、また、雨水に含まれる酸素などによる酸化による化学的風化、それとよくある墓地内の植樹による根の張りによる生物的風化などです。
生物的風化に関しては、根の張りだけではなく、植物が根から酸を出し、必要なミネラルを吸収するため岩石を分解していく劣化も含まれますが、主にこの三種類の原因により、石材の風化(劣化)が進みます。
そして、この三種類の風化に共通するのが、「水」の存在です。
下記に、墓石の石塔部の健全度と劣化度を数値で表記してありますが、さらに調べてみると石塔部分より、墓石の土台石となる「外柵」部分の健全度、劣化度の進行が早くなっています。(外柵部に関しては、どの石材もほぼ同じように劣化が早いため表記してありません。)
墓石土台石の劣化が墓石本体より早いのは、地中から絶えず発生する「湿気」を土台石が吸水しているため、石塔部より劣化が早く進むのですが、それを数値が証明している訳です。
(当店では少しでも地中からの吸水を防ぐため、基礎に防湿シート敷設を考案し、実施していますが、これらの検証データからも、その有効性がお分かり頂けると思います。)
詳細はこちら→墓石の基礎に防湿シート
そして、今回のクンナムですが、クンナムに限らずいわゆる「黒御影」全般に言えることですが、あの黒色が「さめて行く」事が多いということです。
黒々とした「艶」を追求するあまり、自然の艶ではなく、人工的に艶を出している製作工場もあるようで(日本の市場要求に応えるため、艶と濃い黒色を出すためにオイルを塗る場合がある)
そのような場合は、年月が経つにつれオイルが抜けていくので、徐々に自然の黒色に戻っていくという事です。劣化ではありませんので、誤解されないで下さい。
新しく始めた「墓石アドバイス」コーナーの初回ですので、色々と説明が多くなり、話が飛び飛びになってしまいましたが、結論としては、墓石は常に劣化が進行し、その劣化の速度が各石材の特性や、施工方法によって変わってくる、という事です。
使われる石材について健全度、劣化度、私の個人的な見解をご希望であれば、お気軽にお問い合わせ下さい。その石材についてコメントさせて頂きます。
お問い合わせ
また、今後石質の比較がわかりやすいように、健全度を5段階で、劣化度を%(その石種の経過年数による劣化度。%数値が少ないほど石質が安定している)明記していきますので、ご参考になれば幸いです。
(数値ランク説明)
健全度 高い順 ◎・◯・△・▲・■ 低い
劣化度 0% 〜 100% 平均値 44.16%(142種平均値あくまで参考値です。)
吸水率 平均値 0.142%(58種平均値)
<クンナム石質評価>
健全度 ◎
劣化度 9%
吸水率 0.011%
<丁場、その他情報>
正常
ご閲覧ありがとうございました。 木村