今年も、あと一ケ月を残すのみとなりました。
皆様は、今年どんな一年だったのでしょうか。
振り返って見ると、社会的にも消費税のアップや、御嶽山の噴火など、現実的にも、また精神的にも大きな出来事があった年だったと思います。
私自身も、まさに文字通り「光陰矢の如し」で、あっという間に過ぎ去った一年になります。
ここで、少しおもしろい学説を一つ。
小学校の時は、一ヶ月半程の夏休みが、とても長く感じました。
お正月が過ぎ、次のお正月までも、とても長く感じ、小学校を卒業するまでの六年間は、自分の人生のすべてで、大人になる事は、果てしなく遠い、未来の事のように私は感じていました。
それが、進学をし、社会人になるにつれ、一年という時間が、とても短く感じるようになり、毎年の暮には、「時間が経つのが早すぎるよね。」っと、年末の挨拶言葉にもなっています。
どうして同じ一年が、子供の頃と、大人になってからとは感じ方が違うか? ということに関しての学説ですが、それは「体感時間」といって、人生80年とすると20才位までで、その80年間のほぼ80%を消化するという仮説です。
簡単に言うと、20歳までで80年間の80%を消化するわけですから、64年間÷20=3.2年間というわけで、20才くらいまでは1年が3年位に感じているという事です。もちろんこれは、感じ方の比較論ですので、年をとるに連れ時の流れが早く感じるのはなぜか?という問いに対しての一例です。
今年の忘年会の小ネタにいかがでしょうか?
さて、本題に戻りますが、年の瀬も近づき、そろそろお墓のお掃除をと思いの方に、お墓のプロが、お墓のお掃除や、お手入れ方法などを今後、ご案内させて頂きます。
私達が、霊園などで作業中によく聞かれますので、多分みなさんは、特に新しく建墓された方は、墓石に影響が出ないか心配しながら、見よう見まねでされていると思います。
そこで、「そうだったの?!目からウロコ お墓のお掃除教えます。〜シリーズ」のコーナーを設けることにしました。最終的には、墓石の水垢取りまで、ご案内したいと思っています。
第一回は、「お墓にお水は、掛けていいの?」について
お掃除前
お掃除後
先にも書きましたが、霊園などで作業中に一番良く聞かれるのが、この質問です。
お墓にお水をかけるのは、宗派によって変わってきますので、その意味については割愛させて頂きます。
では、お掃除をする上で、お墓の「墓石」については、どうなんでしょうか。
答えは、YESです。ただし、手順があります。
普段から墓石は風雨に耐えていますので、お墓参りの時に、水をかけることで、墓石に影響が出ることはありません。お掃除の時は、タップリと水を掛け、綺麗に洗ってあげましょう。
でも、水を掛けて洗う前に、もう一手間お願いします。ココが「お墓のプロのお教えするポイント」です。
お掃除に行かれて、お水で洗う前に、お墓に付いた枯れ葉や、砂埃(目に見えて無くても墓石の表面にはたくさん砂埃が付いています。)、時には鳥の糞なども付いているかもしれません。
それらをまず先にしっかりと、取り除いて下さい。出来れば、ホームセンターで売っている「馬毛刷毛」で、墓石全体をしっかりと除塵しましょう。
馬毛刷毛
そうすることで、石材表面のとても小さな穴(細孔さいこうといいます。後々よく出てきますので、覚えておきましょう)に、水を掛けることで、石材表面の小さなホコリが水と一緒に入り込むのを防ぎます。
皆様はすでにご存じの方も多いと思いますが、「石」は水を吸います。なので、水をかける前に、しっかりとホコリをとってあげて、汚れた水が入り込まないようにしてあげる事が大切です。
「墓石の水垢」は、汚れた水が入り込み、水だけ乾き汚れが残る状況が何年も続いた結果です。
でも、雨がふる前にその都度、お墓へ行くわけも行きませんから、お墓掃除の時は、除塵は忘れないで下さい。
出来れば、お墓の前にある、水鉢や、香炉、花筒も取り外してお掃除をすれば完璧ですが、とても重く、少しでも当てたら欠けてしまいますので、あまり無理はしないほうが良いと思います。
でも、外した場合は、カロート入り口(納骨室)が見えますので、養生テープなどできちんと目隠しをしてあげましょう。
除塵が済んだら、後はお水をたっぷり掛けてあげて、拭き上げて下さい。ここで、今日二回目の「お墓のプロのお教えするポイント」です。
まず、全体を吹き上げた後、次に固めに絞ったタオルで、「タタキ仕上げ」をして下さい。
タタキ仕上げとは、文字通りタオルで、墓石を軽く「トントントン・・・」と叩きながら、墓石の表面に残った水分を吸い上げるようにすることです。
特に水垢のつきやすい墓石の連結部の立ち上がり角部などは、念入りにタタキ仕上げをしましょう。
そうすることで、前出の「細孔」に残った水分や汚れも吸い上げます。
大まかなお墓のお掃除の流れとポイントですが、石質の硬いインド材等であれば、乾いた柔らかいウェスなどで、乾拭きをしてあげれば、より艶も出てきます。
まとめます。第一回目のポイント。
@お水を掛ける前に、必ず「除塵」をすること!
A墓石を洗った後は、固めに絞ったタオルで「タタキ仕上げ」
お疲れ様でした。
次回は、「彫刻文字の汚れ除去」についてです。
ご閲覧ありがとうございました。 木村